1զի 2արդարեւ 3իսկ 4շատ 5այնք 6են, 7որ 8ոչ 9առ 10ագահութեան 11զանձինս 12ի 13մահ 14դնեն, 15այլ 16առ 17չգոյութեան 18աղքատութեան 19կարաւտութեան 20յետին 21տնանկութեան՝ 22շտապեալք 23առ 24վտանգի 25անկեալք 26տարակուսանաց 27վասն 28զհարկսն 29հաճելոյ, 30թերեւս 31գլխոյ 32փրկանս 33գտանել, 34ի 35պարտուց 36զանձինս 37թափել 38կարասցեն.
番号は下の「逐語分析」「節骨格」「構造仮説」の番号と対応する。
「というのも、実際、そのような者は多い。彼らが自らを死の危険にさらすのは、貪欲ゆえではなく、欠如――すなわち貧困、窮乏、極度の困窮――ゆえなのである。窮境の危難に迫られ、窮地に陥った彼らは、課された負担を果たすために、ひょっとすれば自分の身を救うための贖いを得て、負債から自らを解放することができるかもしれない。」
CLOSED. REVIEW.001–008 を通じ、ոչ … այլ … の作用域、22–29の非定形連鎖、31–33 գլխոյ փրկանս գտանել、30–38 թերեւս … կարասցեն、34–37 ի պարտուց զանձինս թափել、16–21 の同義語累積、22 շտապեալք の lemma、23–26 原因句の作用域、1–3 զի արդարեւ իսկ の談話機能を検討した。主要構造は確定し、本文解釈を変更する BLOCKING な未決点はない。残るのは、16–21 の全項DAT説を形式上完全排除できないこと、22 շտապեալք の弱い lemma alternative など、訳・構造を動かさない局所的注記のみである。
ローマナイズ
zi ardarew isk šat aynkʿ en, or očʿ aṙ agahutʿean zanjins i mah dnen, ayl aṙ čʿgoyutʿean ałkʿatutʿean karawtutʿean yetin tnankutʿean՝ štapealkʿ aṙ vtangi ankealkʿ tarakusanacʿ vasn zharksn hačeloy, tʿerews glxoy pʿrkans gtanel, i partucʿ zanjins tʿapʿel karascʿen.
定動詞 inventory — 採用分析
| No. | 語形 | lemma | 形態 | 節での役割 |
| 6 | են | եմ | 直説法現在・3人称複数 | 主節。「実際、そのような者は多い」のコピュラ/存在述語 |
| 14 | դնեն | դնեմ | 直説法現在・3人称複数 | 7 որ 以下の否定側述語。11–13と զանձինս ի մահ դնել を形成 |
| 38 | կարասցեն | կարեմ | 接続法・3人称複数(未来的・非確定的価値) | 肯定側の中心述語。33 գտանել・37 թափել の二不定詞を共有補部として取る |
逐語分析 — 採用分析
| No. | 語形 | Romanize | 品詞・形態(採用分析) | 意味・機能 |
| 1 | զի | zi | 接続詞・談話標識 | 前文までの危険な航海について「なぜそこまで危険を冒すのか」という説明要求に応答。「というのも」 |
| 2 | արդարեւ | ardarew | 副詞 | 実際、まことに、確かに |
| 3 | իսկ | isk | 後置的強意小辞 | まさに、実に;2を補強 |
| 4 | շատ | šat | 数量語的形容詞 | 多くの、多数の |
| 5 | այնք | aynkʿ | այն・主格複数 | そのような者たち |
| 6 | են | en | եմ・直説法現在3人称複数 | ~である/いる |
| 7 | որ | or | 関係代名詞 | 5を受ける関係節を導く |
| 8 | ոչ | očʿ | 否定辞 | 14を否定し15 այլ と相関 |
| 9 | առ | aṙ | 前置詞 | 10与格を支配;原因・動機 |
| 10 | ագահութեան | agahutʿean | ագահութիւն・DAT.SG | 貪欲、強欲;「貪欲ゆえに」 |
| 11 | զանձինս | zanjins | անձն・ACC.PL;զ-付き | 自分たち自身を;14の目的語 |
| 12 | ի | i | 前置詞 | 13と ի մահ դնել を形成 |
| 13 | մահ | mah | մահ・ACC.SG相当 | 死;11–14で「自らを死の危険にさらす」 |
| 14 | դնեն | dnen | դնեմ・直説法現在3人称複数 | 置く;定型 զանձինս ի մահ դնել |
| 15 | այլ | ayl | 接続詞 | しかし/むしろ;否定側と肯定側の大きな述語群を対照 |
| 16 | առ | aṙ | 前置詞 | 17 DAT.SG を直接支配;原因 |
| 17 | չգոյութեան | čʿgoyutʿean | չգոյութիւն・DAT.SG | 欠如、欠乏;16の直接補部 |
| 18 | աղքատութեան | ałkʿatutʿean | աղքատութիւն・GEN.SG を第一分析 | 貧困;17への同義・類義語付加 |
| 19 | կարաւտութեան | karawtutʿean | կարօտութիւն 系・GEN.SG を第一分析 | 窮乏、欠乏;17への同義・類義語付加 |
| 20 | յետին | yetin | 形容詞 | 最後の、極端な;21を修飾 |
| 21 | տնանկութեան | tnankutʿean | տնանկութիւն・GEN.SG を第一分析 | 極度の困窮;17への同義・類義語付加 |
| 22 | շտապեալք | štapealkʿ | 過去分詞・NOM.PL;lemma は շտապիմ を第一分析 | 切迫し/駆り立てられて;38と同一主語の副詞的分詞用法 |
| 23 | առ | aṙ | 前置詞 | 24 DAT.SG を支配;原因 |
| 24 | վտանգի | vtangi | վտանգ・DAT.SG | 危難;23と原因句を形成 |
| 25 | անկեալք | ankealkʿ | անկանիմ・過去分詞・NOM.PL | 窮地に陥り;38と同一主語の副詞的分詞用法 |
| 26 | տարակուսանաց | tarakusanacʿ | տարակուսանք・GEN.PL | 24 վտանգի の後置属格限定。「窮境・苦境の」 |
| 27 | վասն | vasn | 前置詞;属格支配 | ~のために |
| 28 | զհարկսն | zharksn | հարկ・ACC.PL.DEF;զ-付き | 賦課・義務・負担を;29の目的語 |
| 29 | հաճելոյ | hačeloy | հաճել・INF.GEN | 満たす、履行する、支払う;27と目的句 |
| 30 | թերեւս | tʿerews | 副詞 | ひょっとすると、あわよくば;38を核とする命題全体に作用 |
| 31 | գլխոյ | glxoy | գլուխ・GEN.SG | 身・本人・生命の;32を限定 |
| 32 | փրկանս | pʿrkans | փրկանք・ACC.PL | 贖い、贖価;33の目的語 |
| 33 | գտանել | gtanel | 不定詞 | 得る、確保する;38の第一補部 |
| 34 | ի | i | 前置詞 | 35と離脱源句を形成 |
| 35 | պարտուց | partucʿ | պարտք・ABL.PL | 負債から、借財から |
| 36 | զանձինս | zanjins | անձն・ACC.PL;զ-付き | 自分たち自身を;37の目的語 |
| 37 | թափել | tʿapʿel | թափեմ・不定詞 | 解放する、救い出す;38の第二補部 |
| 38 | կարասցեն | karascʿen | կարեմ・接続法3人称複数 | ~することができるかもしれない |
構造図 — 採用分析
AGATH.§3.S002
status: closed reading
════════ A. 談話接続 ═══════════════════════════════
[1–3] զի արդարեւ իսկ
「というのも、実際」
│
└─ §1–§3で描かれてきた危険な航海について
「なぜ彼らはそこまでして航海するのか」
という説明要求に応答
↓
════════ B. 主節+関係節 ═══════════════════════════
[4–6] շատ այնք են
「そのような者は多い」
│
└─ [7] որ
│
├─ NEGATIVE
│ [8] ոչ
│ ├─ CAUSE [9–10] առ ագահութեան
│ │ 「貪欲ゆえに」
│ └─ [11–14] զանձինս ի մահ դնեն
│ 「自らを死の危険にさらす」
│
└─ CORRECTIVE CONTRAST
[15] այլ 「むしろ」
│
├─ CAUSE
│ [16] առ
│ └─ [17] չգոյութեան DAT
│ 「欠如・欠乏ゆえに」
│ ├─ [18] աղքատութեան GEN
│ │ 「貧困」
│ ├─ [19] կարաւտութեան GEN
│ │ 「窮乏・欠乏」
│ └─ [20–21] յետին տնանկութեան GEN
│ 「極度の困窮」
│
├─ [22] շտապեալք
│ 「切迫し/駆り立てられて」
│ └─ CAUSE
│ [23] առ
│ └─ [24] վտանգի DAT
│ ← GEN [26] տարակուսանաց
│ 「窮境の危難によって」
│
├─ [25] անկեալք
│ 「窮地に陥り」
│
├─ PURPOSE
│ [27] վասն
│ └─ [29] հաճելոյ GEN.INF
│ └─ OBJ [28] զհարկսն
│ 「課された負担を果たすために」
│
└─ [30] թերեւս
「ひょっとすると」
└─ [38] կարասցեն
「~することができるかもしれない」
├─ INF1 [33] գտանել 「得る」
│ └─ OBJ [32] փրկանս 「贖い」
│ ← GEN [31] գլխոյ
│ 「自分の身を救うための」
│
└─ INF2 [37] թափել 「解放する」
├─ OBJ [36] զանձինս
│ 「自分たち自身を」
└─ SOURCE [34–35] ի պարտուց
「負債から」
33と37は統語上は38の並列補部。意味上は「自分の身を救うための贖いを得る → それによって負債から自らを解放する」という連鎖を形成する。
本文読解 — 採用分析 |
§3 S001 は、航海者たちが苛烈な海上の戦いのなかで「自分たちの身を救う手立て」を求め、嵐を逃れて安全な港へ到達しようとする姿を描く。S002 の զի արդարեւ իսկ は、この前文の一述語だけに狭く理由を付すというより、§1以来の危険な航海の描写から生じる「なぜ彼らはそこまで危険を冒すのか」という説明要求に応答する。
中心は、
ոչ առ ագահութեան
「貪欲ゆえではなく」
այլ առ չգոյութեան ...
「むしろ欠如・貧困・窮乏・極度の困窮ゆえに」
という動機の訂正である。
§1 S002 では航海者たちは「財をむさぼり、利益に渇く者たち」と描かれ、§2 S002 でも利益を得て帰ることが目的として示される。しかし §2 S003 では、その利益が、貧困の名を振り払い、家の者たちを徴税権力者の強制から救い、負債を支払い、王への隷属の軛から自由になるために必要であることが具体化される。§3 S002 はこの流れを受け、利益追求の外観を「貪欲」ではなく「切迫した必要」から再解釈する文となる。
31–33 գլխոյ փրկանս գտանել は「自分の身を救うための贖いを得る」と読む。直前 S001 の զապրուստ անձանց փրկութեան գտանել「自分たちの身を救う手立てを得る」と同じ救済語彙を反復し、34–37 ի պարտուց զանձինս թափել「負債から自らを解放する」へ意味的に連鎖する。
この段階の本文だけを読む限り、S002 はまず航海商人そのものの動機説明として成立する。ここで歴史家自身の境遇を直接読み込まない。
後段で、語り手が王命によって歴史叙述という困難な仕事を引き受ける事情が明示された後に再読すると、初めて、
外的必要によって
危険な航海へ押し出される商人
⇅ 遡及的対応
王命によって
危険な歴史叙述へ押し出される語り手
という対応が見えてくる。この自己投影は、前段だけから確定するものではなく、後段の情報によって成立する遡及的・比喩的読解として別層に保持する。
++++ 文法解説 — 採用分析
1–3 ''զի արդարեւ իսկ'' — 理由説明から談話的補強へ
HMB2018 §189 は զի が原因節を導きうることを明記する。本箇所では新文頭に置かれ、§2 S002–S003 の同様の説明的 զի と並行して、前文までから生じる説明要求へ応答する。արդարեւ は「実際、確かに」、իսկ はここではその確証を補強する。したがって「というのも、実際」を採用する。
9–10 ''առ ագահութեան'' — 原因
BAG1852 ¶270、HMB2018 §157 などが示す առ + DAT の原因用法。10はDAT.SGとする。
16–21 — 第一DAT+同義・類義語の属格付加
16 առ は17 չգոյութեան DAT.SGを直接支配する。18 աղքատութեան、19 կարաւտութեան、21 տնանկութեան は、ABR1976 pp.391–392 が記述する同義・類義名詞の属格付加として第一分析を立てる。アガタンゲロス自身の մարտ պատերազմի、զկամս ցանկութեանն が同型の傍証となる。
表面形ではGEN/DAT.SGが同形なので、全項DAT並列を形式上完全には排除しない。ただし説明力では第一DAT+後続GEN付加が優位。
22・25 — 過去分詞の副詞的用法
22 շտապեալք と25 անկեալք はともにPAST.PTCP.NOM.PLで、38 կարասցեն と同一の複数主語を共有する副詞的分詞用法。独立した形態カテゴリーとしての converb は立てない。
22の lemma は շտապիմ を第一分析とする。շտապիմ 自体に「切迫する/強いられる」に近い意味があるため、他動詞 շտապեմ の受動分詞と固定する必要はない。
23–26 ''առ վտանգի ... տարակուսանաց''
24 վտանգի はDAT.SG、26 տարակուսանաց はその後置GEN.PL限定。「窮境の危難によって」。
統語上はこの原因句を22 շտապեալք に狭く付ける。25 անկեալք にも同じ危難状況が意味上の背景として波及するが、二分詞全体への直接統語支配とはしない。
27–29 ''վասն զհարկսն հաճելոյ'' — 目的
JEN1959 §493 等が示す վասն + GEN.INF の目的構文。հարկ は税・賦課・義務・負担、հաճեմ は満たす・履行する・支払う。本箇所では「課された負担を果たすために」と訳す。
30–38 ''թերեւս ... կարասցեն''
30 թերեւս は38 կարասցեն を核とする命題全体に作用する。33 գտանել と37 թափել は38の並列不定詞補部。
同じ §3 の後続文にも թերեւս … գտանել կարասցեն、また同節内に二不定詞を一つの կարասցեն が共有する平行があり、この構造を強く支持する。
31–33 ''գլխոյ փրկանս գտանել''
գլուխ には「元金・資本」の語義もあるが、本箇所では փրկանք が人の身・生命の贖いと強く結びつくこと、同じ §3 S001 の անձանց փրկութեան գտանել が近接することから、31は「身・本人・生命」を表す属格とする。
[գլխոյ] GEN
→ [փրկանս] ACC.PL
→ OBJ of [գտանել] INF
「自分の身を救うための贖いを得る」。
34–37 ''ի պարտուց զանձինս թափել''
թափել は「解放する・救い出す」、ի + ABL は離脱源。直後の §3 S003 が փոխ … ի պարտուցն ի վերայ առեալ と借財文脈を明示するため、35 պարտուց は「負債・借財」と確定する。
「負債から自らを解放する」。
AGATH.§3.S002.REVIEW.001 — ''ոչ ... այլ ...'' と二つの ''առ'' 原因句の作用域 — RESOLVED
採用分析: ոչ … այլ … は二つの大きな述語群を対照する。
ոչ [առ ագահութեան զանձինս ի մահ դնեն]
այլ [առ չգոյութեան ... շտապեալք ... կարասցեն]
修辞上の焦点は、
ոչ [առ ագահութեան]
այլ [առ չգոյութեան ...]
という動機の訂正にある。
BAG1852 ¶270、ABR1976 §332 の առ + DAT 原因用法、同作品 §5・§6 の ոչ … այլ … 平行、GHAZ2012 の զանձինս ի մահ դնել を根拠とする。
P4 の追加検討により、16–21 内部は17 չգոյութեան を առ に直接支配されたDAT.SGとし、18・19・21を同義・類義語のGEN付加とする第一分析へ昇格した。全項DAT並列は表面同形のため形式上完全排除しないが、本文読解・試訳を動かす residual とはしない。
AGATH.§3.S002.REVIEW.002 — 22–29 の非定形連鎖と26 ''տարակուսանաց'' — RESOLVED
22 շտապեալք と25 անկեալք はPAST.PTCP.NOM.PLで、38 կարասցեն と同一主語を共有する副詞的分詞用法。
26 տարակուսանաց は25の直接補部ではなく、24 վտանգի を限定するGEN.PL。
[22] շտապեալք
└─ CAUSE
առ [վտանգի ←GEN տարակուսանաց]
[25] անկեալք
[27–29] վասն [զհարկսն հաճելոյ]
[38] կարասցեն
P5 の追加検討により、22の lemma は շտապիմ を第一分析とする。շտապեմ 系は表面形上の弱い alternative としてのみ残し、訳・構造には波及させない。
P6 の追加検討により、23–24・26の原因句は統語上22に狭く付ける。危難状況が25にも意味上の背景として及ぶことは認めるが、二分詞全体への直接統語支配とはしない。
AGATH.§3.S002.REVIEW.003 — 31–33 ''գլխոյ փրկանս գտանել'' — RESOLVED
採用構造
[31] գլխոյ GEN.SG
└─ modifies [32] փրկանս ACC.PL
└─ OBJ of [33] գտանել INF
գլուխ には「元金・資本」の語義もあるため、金融的読みを実在する alternative として検討した。しかし փրկանք は辞書・聖書用例で人の身・生命の贖いと強く結びつき、同じ §3 S001 の զապրուստ անձանց փրկութեան գտանել も「身を救う」語彙場を反復する。
よって、「自分の身を救うための贖いを得る」を採用する。「身代金を得る」は具体化しすぎ、「命の贖い」は生命に狭めすぎるため、試訳では「身を救うための贖い」とする。
AGATH.§3.S002.REVIEW.004 — 30–38 ''թերեւս ... կարասցեն'' — RESOLVED
30 թերեւս は第一不定詞だけでなく、38 կարասցեն を核とする命題全体に作用する。
33 գտանել と37 թափել は38の並列不定詞補部。
թերեւս
└─ կարասցեն
├─ գլխոյ փրկանս գտանել
└─ ի պարտուց զանձինս թափել
同じ §3 の後続文に թերեւս … գտանել կարասցեն があり、さらに同節内には二不定詞を一つの կարասցեն が共有する作者内平行がある。
統語上は二補部を並列するが、意味上は「贖いを得る → その結果、負債から自らを解放する」という連鎖が自然。
AGATH.§3.S002.REVIEW.005 — 34–37 ''ի պարտուց զանձինս թափել'' — RESOLVED
թափել は「解放する・救い出す」、36 զանձինս は目的語、34–35 ի պարտուց は離脱源。
直後 §3 S003 の փոխ եւս ի պարտուցն ի վերայ առեալ が借財文脈を明示するため、պարտուց はここでは抽象的「義務」ではなく負債・借財とする。
թափել
├─ OBJ: զանձինս
└─ SOURCE: ի պարտուց
「負債から自らを解放する」。
AGATH.§3.S002.REVIEW.006 — 16–21 ''առ չգոյութեան ... տնանկութեան'' — RESOLVED WITH MINOR FORMAL ALTERNATIVE
第一分析:
առ
└─ չգոյութեան DAT.SG
├─ աղքատութեան GEN.SG
├─ կարաւտութեան GEN.SG
└─ յետին տնանկութեան GEN.SG
ABR1976 pp.391–392 は、同義・類義名詞の累積において、第一名詞が文中の格機能を担い、後続の同義・類義名詞が属格で付加される型を記述し、アガタンゲロス自身の例も挙げる。
աղքատութիւն・կարօտութիւն・տնանկութիւն は辞書上も「貧困・窮乏・欠乏」の同一意味場を形成する。したがって17を統語的アンカーとし、18–21を意味的な敷衍・増幅とする。
全項DAT並列は形態的には可能だが、第一分析より説明力が弱い。本文訳では 「欠如――すなわち貧困、窮乏、極度の困窮――ゆえに」 とする。
AGATH.§3.S002.REVIEW.007 — 22 ''շտապեալք'' と23–26原因句 — RESOLVED
22 շտապեալք は շտապիմ を第一 lemma とする。շտապիմ 自体に「急ぐ・切迫する」に加えて「強いられる」に近い意味があるため、շտապեմ の受動分詞を立てなくても局所意味が成立する。
23–24・26は、
առ [վտանգի ←GEN տարակուսանաց]
「窮境の危難によって」
として統語上22に付ける。25 անկեալք は独立した第二の副詞的過去分詞。
訳は 「窮境の危難に迫られ、窮地に陥り」。
AGATH.§3.S002.REVIEW.008 — 1–3 ''զի արդարեւ իսկ'' と S001–S002 の談話関係 — RESOLVED
HMB2018 §189 は զի の原因節用法を認める。ただし本箇所では、新文頭の զի արդարեւ իսկ は S001 の一述語だけに狭く係る原因節ではなく、§1以来の航海描写から生じる、
「なぜ彼らはそこまで危険を冒して航海するのか」
という問いへの説明・論証を開始する談話標識とする。
արդարեւ は「実際・確かに」、իսկ はその確証を補強する。したがって冒頭は 「というのも、実際」 を採用する。
§2 S002–S003 でも զի が、危険を前にしてなお進む航海者の行動を段階的に説明する。この流れの頂点で S002 は、
利益を求めているように見える
↓
しかし根本動機は
貪欲ではなく困窮である
という再解釈を明示する。
なお、この時点では航海商人の動機説明として読む。後段で王命による歴史叙述の事情が明示された後に、危険な仕事へ外的必要によって押し出される語り手自身との対応が遡及的に見えてくる。この自己投影は後段情報によって成立する再読上の比喩的対応として、本文の初読時機能と区別する。
クローズ判定
REVIEW.001–008 はすべて完了。原文・逐語分析・構造図・本文読解・文法解説・試訳を相互照合し、探索段階の旧記述を現在の採用分析へ同期した。
BLOCKING な未決点はない。§3 S002 は closed reading とする。
非BLOCKINGな注記:
16–21 は表面上GEN/DAT.SG同形のため全項DAT説を形式上完全には排除しない。
22 շտապեալք は շտապիմ を第一 lemma とするが、շտապեմ 系との表面形衝突を辞書的注記として残す。
23–24・26の危難状況は意味上25にも波及するが、統語上は22に付ける。
後段の王命記事を踏まえた歴史家自身への自己投影は、前段だけから確定する文法的・語義的事実ではなく遡及的文学解釈として扱う。
参考文献・資源
Agathangelos, Պատմութիւն Հայոց, §3 S001–S003;本文は Phase 2 frozen target v1.0.1。§2 S002–S004 も談話平行として参照。
HMB2018 §157 — առ の格支配。与格との結合に原因用法。
HMB2018 §177 — 同一主語を共有する過去分詞+定動詞の構文。
HMB2018 §189 — զի による目的・原因等の従属節。
BAG1852 ¶270 — առ + DAT の原因用法。
BAG1852 SYN08 / §711 — 属格限定語の非隣接配置。
ABR1976 §332 — 原因を表す առ 句。
ABR1976 pp.391–392 — 同義・類義名詞の属格付加。
JEN1959 §465 — 属格属性語の非隣接配置。
JEN1959 §493 — վասն + GEN.INF の目的・理由構文。
KOS1980 Ch.1 §1.B.a — 属格補部の分離配置。
GHAZ2012 — ԴՆԵԼ ԶԱՆՁԻՆՍ Ի ՄԱՀ ほか関連慣用。
CALFA / NBHL — Արդարեւ, Իսկ, Շտապիմ / Շտապեմ, Տարակոյս / Տարակուսանք, Հարկ, Հաճեմ, Գլուխ, Փրկանք, Փրկութիւն, Թափեմ, Պարտք, Աղքատութիւն, Կարօտութիւն, Տնանկութիւն 各項目。
聖書独立平行 — փրկանք と人の身・生命の結合、および զի արդարեւ իսկ の補強的連鎖を必要箇所で参照。