「一方、自らの富を投じて世に益をなす者も多い。彼らは、高価な真珠を手に入れ、さまざまな貴石や色とりどりの絹織物で王たちを飾る。」
STATUS: CLOSED.
REVIEW.001–005 と pre-close residual sweep を経て確定。13–16 は MEANS / ENABLING ACQUISITION、18–20 は INSTR.PL、22 կերպասու は U曲用 INSTR.SG。23–25 は色彩指定。本文改変は不要。
ローマナイズ
Isk en bazumkʿ, or ziwreancʿ aṙatutʿiwn edeal՝ ašxarhi awgut gorcen, zardareal ztʿagawors i giwt canragin margartin, ew zanazan akambkʿ patuakanawkʿ ew kerpasu yerang erangs gunocʿn.
定動詞 inventory
| No. | 語形 | lemma | 形態候補 | 節での役割 |
| 2 | են | եմ | 直説法現在3人称複数 | 主節の存在・コピュラ述語。「~する者も多い」 |
| 10 | գործեն | գործեմ / գործել 系 | 直説法現在3人称複数 | 4 որ 以下の関係節の中心述語。「行う、なす」 |
採用分析
明示的定動詞は 2個。
7 եդեալ は դնել の過去分詞。
11 զարդարեալ は զարդարեմ 系の過去分詞。
7・11 はともに、10 գործեն と同一の複数主体を共有する副詞的過去分詞用法。
4 որ 以下の主語は主節3 բազումք「多くの者」と同一指示。裸の որ が複数先行詞を受ける用法は ABE1936 / JEN1959 §550 により確認。
逐語分析 — 初期採用分析
| No. | 語形 | Romanize | 品詞・形態(初期分析) | 意味・機能 |
| 1 | Իսկ | isk | 接続詞・談話標識 | 一方、しかし;S001 の商人類型に別の類型を対置する可能性 |
| 2 | են | en | եմ・直説法現在3複 | ~である、いる |
| 3 | բազումք | bazumkʿ | բազում・NOM.PL;名詞的用法 | 多くの者たち |
| 4 | որ | or | 関係詞・節導入標識 | 3を先行詞として関係節を導く |
| 5 | զիւրեանց | ziwreancʿ | զ- + իւրեանց;所有詞 | 「彼ら自身の」。զ- は6を含む目的語名詞句の対格標識とみる |
| 6 | առատութիւն | aṙatutʿiwn | առատութիւն・ACC.SG | 豊かさ、富、資財;7の目的語 |
| 7 | եդեալ | edeal | դնել・過去分詞 | 置いて、投じて;ここでは「自らの富を投じて」。10 գործեն に先行する副詞的分詞 |
| 8 | աշխարհի | ašxarhi | աշխարհ・DAT.SG(GEN/DAT/LOC surface syncretism から統語的に選択) | 世界に/世のために;9 աւգուտ の受益者 |
| 9 | աւգուտ | awgut | օգուտ / աւգուտ・ACC.SG | 益、利益;10 գործեն の直接目的語 |
| 10 | գործեն | gorcen | գործեմ・直説法現在3複 | なす、行う;8–9と「世界に益をなす」 |
| 11 | զարդարեալ | zardareal | զարդարեմ・過去分詞 | 飾って;10と同一主体の後置副詞的過去分詞。10の「益」の具体化 |
| 12 | զթագաւորս | ztʿagawors | թագաւոր・ACC.PL | 王たちを;11の直接目的語 |
| 13 | ի | i | 前置詞 | 14 գիւտ(ACC.SG)を支配;ここでは具格相当の手段用法 |
| 14 | գիւտ | giwt | գիւտ・ACC.SG | 発見、獲得、入手;13とともに手段句を形成 |
| 15 | ծանրագին | canragin | 形容詞・前置多音節非一致形 | 高価な、貴重な;16 մարգարտին を修飾。HMB2018 §83 |
| 16 | մարգարտին | margartin | մարգարիտ・GEN.SG | 真珠の;14 գիւտ を属格限定 |
| 17 | եւ | ew | 接続詞 | そして |
| 18 | զանազան | zanazan | 前置多音節形容詞・非一致形 | さまざまな;19 ակամբք を修飾 |
| 19 | ակամբք | akambkʿ | ակն「宝石」・INSTR.PL | 宝石で |
| 20 | պատուականաւք | patuakanawkʿ | պատուական・INSTR.PL | 貴重な;19に一致 |
| 21 | եւ | ew | 接続詞 | そして |
| 22 | կերպասու | kerpasu | կերպաս「絹布、絹織物」・INSTR.SG | 絹織物で。U曲用の単数具格 -ու;GEN/DAT.SG と表面同形 |
| 23 | յերանգ | yerang | յ- + երանգ;反復色彩表現の第1要素 | 「色合いごとに/さまざまな色合いに」 |
| 24 | երանգս | erangs | երանգ・ACC.PL を採用 | 色合い、諸色;23と反復的色彩表現を形成 |
| 25 | գունոցն | gunocʿn | գոյն・GEN.PL.DEF | 色々の、諸色の;24を限定 |
語彙上の強い手掛かり
CALFA/NBHL の օգուտ 項には օգնուտ գործել の用例が複数あり、「益をなす/役に立つ」の結合が確認できる。
19–20 には聖書平行 զարդարեաց … ակամբք պատուականօք「貴石で飾った」があり、11 զարդարեալ の手段句として強い。
CALFA は երանգ երանգ を「多色の、variegated」と説明し、Երանգ երանգ գունոցն պատմուճանք という直接的な平行を持つ。
կերպաս は「絹、絹織物」。22 կերպասու は U曲用 INSTR.SG で、GEN/DAT.SG と surface syncretism を起こす。
構造図 — 採用分析
MAIN
[1] Իսկ
「一方」
│
└─ [2] են
└─ SUBJ [3] բազումք
「多くの者がいる」
│
└─ REL [4] որ
│
├─ PARTICIPIAL BACKGROUND [5–7]
│ զիւրեանց առատութիւն եդեալ
│ 「自らの富/資財を投じて」
│
├─ FINITE PRED [10] գործեն
│ ├─ BENEFICIARY [8] աշխարհի DAT.SG
│ └─ OBJ [9] աւգուտ ACC.SG
│ 「世に益をなす」
│
└─ PARTICIPIAL ELABORATION [11] զարդարեալ
「飾って」
├─ OBJ [12] զթագաւորս
│ 「王たちを」
├─ MEANS-1 [13–16]
│ ի գիւտ ծանրագին մարգարտին
│ ի + ACC(具格相当)
│ 「高価な真珠の入手によって」
├─ MEANS-2 [18–20]
│ զանազան ակամբք պատուականաւք
│ INSTR.PL
│ 「さまざまな貴石で」
└─ MEANS-3 [22] կերպասու INSTR.SG
「絹織物で」
└─ COLOR [23–25]
յերանգ երանգս գունոցն
「色とりどりの色合いの」
S001 の բազումք … որ と同じく、主節は存在構文的で、実質的内容は関係節側に置かれる。
本文読解 — 採用分析
S001 は、窮境に迫られて苦難を伴いながら商業へ身を投じる者たちを提示した。S002 は Իսկ「一方」で始まり、同じ「多くの商人」を別の側面から描き始めるように見える。
採用分析では、S002 の商人は、
自分たちの առատութիւն「富/資財」
↓
եդեալ「置き/投じ」
↓
աշխարհի աւգուտ գործեն
「世に益をなす」
者として提示される。
その「益」の最初の具体例として、王たちを高価な真珠、貴石、色彩豊かな絹織物で飾ることが提示される。後続 S003 以降では աղքատս「貧しい者たち」、աշխարհ「世界」、կարաւտս「困窮する者たち」などへの益が連続して列挙されるため、11 զարդարեալ 以下は 8–10 աշխարհի աւգուտ գործեն「世に益をなす」の最初の具体化と読む。
ただし、S001 の「必要に迫られた商人」と S002 の「豊かさを用いて益をなす商人」が厳密に対立する二類型なのか、同一集団の別側面なのかは、S002 単独では固定しない。
文法解説 — 初期分析
5–7 զիւրեանց առատութիւն եդեալ
HMB2018 には զիւրեանց փոքրկութիւնն のように、զ- が前置された所有詞側に付いて、その後続名詞を含む目的語名詞句全体を標示する例がある。
したがって本箇所も、
զ-[իւրեանց առատութիւն]
↓
եդեալ
とみなし、6 առատութիւն を7 եդեալ の目的語とするのが第一候補。
REVIEW.001 により、ここでは առատութիւն を第一に「富・資財」と解し、
զիւրեանց առատութիւն եդեալ
「自らの富/資財を投じて」
とする。
CALFA / NBHL の առատութիւն は「豊富・豊かさ」のほか generosity / munificence 的な語義領域も持つため、「惜しみなく」という含意が完全に排除されるわけではない。しかし դնել との結合にその抽象語義を要求する独立根拠は弱い。一方 CALFA / NBHL の Դնեմ 項は դնել արծաթ ի շահ を「金銭を利益のために置く=投資する」と明示し、物的資源を投入する դնել を直接に証明する。
さらに同作者 §1 の商人描写には、
գրաւական եդեալ զանձինս շահաւորն աւգտութեան
と、自らを利益のための担保・賭け金として「置く」表現がある。したがって §4 でも եդեալ は商業活動に資源をコミットする語義場にあると判断する。
ただし過去分詞形そのものが「手段」を文法標識するわけではない。統語上は10 գործեն と主語を共有する先行副詞的分詞で、意味上は「資財投入という前提・実行条件」とする。
8–10 աշխարհի աւգուտ գործեն
REVIEW.005 により、8 աշխարհի は DAT.SG beneficiary と確定する。
CALFA / NBHL の օգուտ 項には、
ոչ ինչ օգուտ գործէին եկելոցն
「来た者たちに何の益もなさなかった」
Յոլովից՝ բանք խրատուց ոչինչ օգուտ գործեն
「多くの者には、訓戒の言葉も何の益もなさない」
のように、օգուտ գործել が「益の受け手」を斜格で伴う用例がある。
さらに同作者 §5 に、
եւ այլոց աւգուտ մարթեն լինել
「そして他者に益となることができる」
というほぼ同じ意味配置がある。
したがって、
աշխարհի DAT.SG
աւգուտ ACC.SG
գործեն
「世界に益をなす」
を採用する。
GEN.SG として [աշխարհի աւգուտ]「世界の利益」という一つの目的語名詞句を作る分析は形態上は可能だが、օգուտ գործել の項構造、§5 の作者内平行、後続 §4 S003 以下の benefit-recipient 列挙から劣る。
11 զարդարեալ — 過去分詞と定動詞
HMB2018 §177 は、同一主体を共有する過去分詞と定動詞が一文中で連鎖する構造を記述する。
本箇所では、
բազումք / որ
├─ եդեալ
├─ գործեն
└─ զարդարեալ
と、7・10・11 が同じ複数主体を共有する構造を第一候補とする。
19–20 ակամբք պատուականաւք
19 ակամբք は ակն「宝石」の具格複数、20 պատուականաւք も具格複数で一致する。
独立平行に、
զարդարեաց զտունն ակամբք պատուականօք
「その家を貴石で飾った」
があるため、
զարդարեալ զթագաւորս ... ակամբք պատուականաւք
「王たちを……貴石で飾って」
は強い分析。
13–16 ի գիւտ ծանրագին մարգարտին — 獲得を経由した MEANS
REVIEW.004 により、PURPOSE ではなく MEANS / ENABLING ACQUISITION と確定する。
14 գիւտ は ACC.SG、16 մարգարտին はその GEN.SG 補語。
ի
└─ գիւտ ACC.SG
└─ մարգարտին GEN.SG
← ծանրագին
HMB2018 §156 は ի + ACC に、具格相当の意味と目的の双方を認める。したがって形態だけでは MEANS と PURPOSE を区別できない。
しかし局所構造は、
զարդարեալ զթագաւորս
├─ ի գիւտ ծանրագին մարգարտին
├─ եւ զանազան ակամբք պատուականաւք
└─ եւ կերպասու ...
と、二つの եւ によって貴石・絹織物と並ぶ装飾資源/手段の列挙を作る。PURPOSE を選ぶと第1項だけ意味役割が外れる。
さらに同作者 §8 は、
մարգարիտն պատուական
ականք պատուականք ի Հնդկային աշխարհէն
...
մեծաջանք եղեալ ի գտանել՝ զթագաւորս զարդարեցին
と、「真珠・貴石を遠くから苦労して得る → 王を飾る」という出来事順序を明示する。
また Agathangelos は §2 の զգիւտս իւրեանց、§17 の զգիւտս աշխատութեան մերոյ で գիւտ を「得たもの・獲得物」の意味で用いる。
したがって文法ラベルは MEANS / ENABLING ACQUISITION。日本語では硬い「入手によって」より、
「高価な真珠を手に入れ、……王たちを飾る」
と順接的に訳す。純粋な物質具格ではなく、「獲得という先行過程を介して装飾を可能にする」関係である。
18–20 զանազան ակամբք պատուականաւք — 通常の具格
19 ակամբք と20 պատուականաւք は INSTR.PL。
独立平行の
զարդարեաց զտունն ակամբք պատուականօք
「家を貴石で飾った」
により、11 զարդարեալ の明白な手段句とする。
22–25 կերպասու յերանգ երանգս գունոցն — U曲用単数具格+色彩指定
REVIEW.003 により、22 կերպասու は INSTR.SG「絹織物で」 とする。U曲用では単数具格 -ու が GEN/DAT.SG と surface syncretism を起こすため、形だけから属格に固定してはならない。
կերպասու INSTR.SG
└─ COLOR [23–25]
յերանգ երանգս գունոցն
「色とりどりの」
23–25 の反復的色彩表現は CALFA / NBHL の Երանգ երանգ գունոցն պատմուճանք、Agathangelos §1 の յերփն երփն …、§268 の ի գունագոյն երանգս などによって支持される。
AGATH.§4.S002.REVIEW.001 — զիւրեանց առատութիւն եդեալ の意味役割 — RESOLVED
結論:
զ-[իւրեանց առատութիւն] եդեալ
「自らの富/資財を投じて」
6 առատութիւն は7 եդեալ の対格目的語。7は10 գործեն と同一主体を共有する先行副詞的過去分詞とする。
1. 名詞句構造
HMB2018 には զիւրեանց փոքրկութիւնն のように、対格標識 զ- が前置された所有詞側に付いて後続名詞を含む名詞句全体を標示する例がある。
զ-[իւրեանց առատութիւն]
↓
եդեալ
したがって5–6全体を7の目的語とする。
2. առատութիւն の語義
CALFA / NBHL は առատութիւն に「abundance, plenty, fulness」のほか generosity / munificence に近い語義も記録する。
したがって、
A. 物的な「富・資財」
B. 抽象的な「惜しみなさ・気前よさ」
の双方を初期候補とした。
しかし本箇所では所有表現 զիւրեանց「彼ら自身の」と դնել「置く」が組み合わされ、直後から真珠・宝石・織物など交易によって供給される物的財が列挙されるため、第一義は A「富・資財」とするのが自然である。
B の generosity 的ニュアンスは語彙背景として残るが、独立した構文解には採らない。
3. դնել は資源投入を表し得る
CALFA / NBHL の Դնեմ 項は、
դնել արծաթ ի շահ
を「金銭を利益のために置く/投資する」と明示する。
したがって「財・金銭を դնել」から「投入する、運用に供する」という意味への移行は辞書的に直接支持される。
さらに Agathangelos §1 の同じ商人比喩には、
գրաւական եդեալ զանձինս շահաւորն աւգտութեան
すなわち利益を求める営みに「自らを担保・賭け金として置く」表現がある。これは本箇所の եդեալ を、商業活動に何かをコミットする語義場で読む作者内平行として重要である。
4. եդեալ の統語機能と scope
HMB2018 §177 の記述に従い、7 եդեալ は10 գործեն と同一の複数主体を共有する過去分詞とする。
որ ...
├─ զիւրեանց առատութիւն եդեալ
│ 「自らの富を投じて」
└─ աշխարհի աւգուտ գործեն
「世に益をなす」
ただし -եալ 形そのものを「手段」の文法標識とはしない。採用する意味関係は ANTECEDENT / ENABLING CIRCUMSTANCE、すなわち「資財を投じることを前提・実行条件として、世に益をなす」。
11 զարդարեալ 以下が10 գործեն の具体化であるなら、その意味効果は後続列挙にも自然に及ぶが、7を11へ直接付着させる別構造は立てない。
採用
[5–7] զիւրեանց առատութիւն եդեալ
「自らの富/資財を投じて」
↓
[8–10] աշխարհի աւգուտ գործեն
「世に益をなす」
訳語について: 日本語の「投資する」は近代金融的に狭く響くため採用しない。「投じる」は、原語の「置く」を残しつつ資源コミットの意味を表せるため採用する。
STATUS: RESOLVED.
AGATH.§4.S002.REVIEW.002 — զարդարեալ 以下の adornment inventory — RESOLVED
結論:11 զարդարեալ 以下は、王たちを飾るための三つの資源・手段を列挙する。
[11] զարդարեալ
└─ OBJ [12] զթագաւորս
「王たちを飾って」
│
├─ MEANS-1 [13–16]
│ ի գիւտ ծանրագին մարգարտին
│ 「高価な真珠の入手によって」
│
├─ MEANS-2 [18–20]
│ զանազան ակամբք պատուականաւք
│ 「さまざまな貴石で」
│
└─ MEANS-3 [22–25]
կերպասու յերանգ երանգս գունոցն
「色とりどりの絹織物で」
1. MEANS-1:ի գիւտ ծանրագին մարգարտին
14 գիւտ は ACC.SG。16 մարգարտին は GEN.SG で14を限定する。
HMB2018 §156 は ի + ACC に գործիականի իմաստ「具格相当の意味」を認める。したがって、
ի գիւտ ծանրագին մարգարտին
「高価な真珠の入手/獲得によって」
を11 զարդարեալ の手段句とする。
CALFA / NBHL の գիւտ は「discovery, find, profit, acquired result」までを含む。同作者 §4 の直後にも նոր եւ չքնաղ գիւտիւք、§17 に զգիւտս աշխատութեան մերոյ があり、商業・航海比喩では「苦労して得たもの/入手物」という意味領域が実在する。
よって「真珠を発見する」という知的発見ではなく、交易によって高価な真珠を入手することと読む。
2. MEANS-2:զանազան ակամբք պատուականաւք
19 ակամբք「宝石で」、20 պատուականաւք「貴重な」はともに INSTR.PL。
独立平行、
զարդարեաց զտունն ակամբք պատուականօք
「家を貴石で飾った」
により、これは11の通常の具格手段句として確定する。
3. MEANS-3:կերպասու յերանգ երանգս գունոցն
REVIEW.003 による訂正: 以下の GEN.SG / 省略 head 分析は探索履歴として保持するが、最終採用しない。HMB2018 §60 と Grammar KB NOM.13 により、U曲用の単数具格 -ու が GEN/DAT と同形であることを確認した。したがって22 կերպասու は INSTR.SG「絹織物で」 と再分析する。
22 կերպասու は կերպաս「絹、絹織物」の GEN.SG を第一形態分析とする。通常の具格ではない。
一方、23–25 は色彩表現として強く支持される。
CALFA / NBHL:
Երանգ երանգ գունոցն պատմուճանք
「色とりどりの色彩の衣」
Յերանգս գունակ գունակ յապակոյ
「さまざまな色合いに……」
同作者:
§1 յերփն երփն զերանգսն շրջշրջեն
「さまざまに色合いを変える」
§268 զգեստս ... զարդարէ ի գունագոյն երանգս
「衣を色彩豊かな色合いに飾る」
したがって、
յերանգ երանգս գունոցն
≈「さまざまな色合いに/色とりどりの色彩で」
とする。
24 երանգս は25 գունոցն GEN.PL.DEF を受ける ACC.PL とするのが最も自然で、単数+-ս の alternative は棄却する。
4. կերպասու の micro-attachment
二案を比較した。
A. 省略された textile / garment head に対する材料属格
կերպասու [Ø զգեստ / պատմուճան]
「絹の[衣・織物]」
+
յերանգ երանգս գունոցն
「色とりどりの色彩に」
B. գունոցն への入れ子属格
երանգս
└─ գունոցն
└─ կերպասու
「絹布の諸色の色合い」
A を第一分析とする。同作者 §761 の
զմետաքսառէչս եւ զոսկեթելս կերպասուցն
は、կերպաս 属格と、文脈上補いうる textile head の省略を許す作者内平行として有力である。
ただし B も表面形から完全には排除できず、A/B の差は「色とりどりの絹織物」という意味・11の項構造を変えない。したがって MICRO-ATTACHMENT RESIDUAL / NON-BLOCKING として残す。
5. 全体
13–25 は無秩序な名詞列ではなく、王侯の装飾に供される交易品を三段で列挙する。
真珠の入手
+
貴石
+
色とりどりの絹織物
↓
զարդարեալ զթագաւորս
「王たちを飾って」
これは直後の §4 S003 以下で、商人が貧者・世界・困窮者・病者などへも益をもたらすという列挙へ展開する最初の具体例と読むことができる。
訳への反映:
「彼らは、高価な真珠を手に入れ、さまざまな貴石や色とりどりの絹織物で王たちを飾る。」
STATUS: RESOLVED.
AGATH.§4.S002.REVIEW.003 — կերպասու は GEN.SG か INSTR.SG か — RESOLVED
判別した問い:
22–25
կերպասու յերանգ երանգս գունոցն
について、
A. GEN.SG — կերպասու「絹織物の」+省略された garment/textile head
B. GEN.SG — կերպասու が後続の色彩句内部を修飾
C. INSTR.SG — կերպասու「絹織物で」が11 զարդարեալ の第三の手段
を比較した。
結論:C = INSTR.SG を採用。A/B は棄却。
1. 決定的形態証拠:U曲用単数具格の surface syncretism
Կերպաս は U曲用である。
HMB2018 §60 は U曲用の単数 paradigm を、
GEN.SG գանձու
DAT.SG գանձու
ACC.SG գանձ
INSTR.SG գանձու
と示し、単数具格には追加格標識が付かず、属格と同形になると明記する。
Grammar KB NOM.13 の統合結論も同じである。
HMB2018.NOM13.C001 — U曲用単数具格はゼロ標識で属格と同形
ABR1976.NOM13.C001 — 同上
ABE1936.NOM13.C001 — 単数具格 -ու
JEN1959.NOM13.C001 — u-stem 単数具格 -ու
したがって surface կերպասու から GEN.SG を自動選択することはできない。
2. 局所統語:coordination が INSTR を強く支持する
զարդարեալ զթագաւորս
ի գիւտ ծանրագին մարգարտին,
եւ զանազան ակամբք պատուականաւք
եւ կերպասու յերանգ երանգս գունոցն
と、二つの եւ により装飾手段が追加列挙される。
直前の ակամբք պատուականաւք は明白な INSTR.PL。その直後の եւ կերպասու を INSTR.SG とすれば、
MEANS-1 ի գիւտ ...
MEANS-2 ակամբք ... INSTR.PL
MEANS-3 կերպասու INSTR.SG
と11 զարդարեալ の手段列挙が無理なく閉じる。
GEN.SG とすると、省略 head や長距離 attachment を別途仮定する必要があり、説明コストが増える。
3. 語彙・独立例
CALFA / NBHL の կերպաս は「silk, silk-stuff, silk goods」。
装飾材料として、
էր զարդարեալ բեհեզովք եւ կերպասովք
など、կերպաս が具格で զարդարել に付く独立例がある。
したがって「絹織物で飾る」という valency は直接支持される。
4. 23–25 は第三手段の色彩指定
յերանգ երանգս գունոցն
は意味上「さまざまな色合いの/色とりどりの」。
CALFA / NBHL は երանգ երանգ を variegated / in many colours とし、
Երանգ երանգ գունոցն պատմուճանք
を記録する。
さらに յազգի ազգի նիւթոց のように、յ- が反復表現の第1要素に付く平行がある。Agathangelos 内にも §1 の յերփն երփն …、§268 の ի գունագոյն երանգս があり、色彩・反復表現は作者語法として自然。
HMB2018 §154 により、前置詞 յ- が句頭の修飾要素側に現れても後続 head を含む句全体を導き得る。
したがって、
կերպասու INSTR.SG
└─ QUALITATIVE / COLOR
յերանգ երանգս գունոցն
「色とりどりの絹織物で」とする。
23–25 の最内部 dependency は Close を左右しないため、必要以上に細分化しない。
5. REVIEW.002 への訂正
REVIEW.002 で、
կերպասու = GEN.SG
→ [Ø զգեստ / պատմուճան]
という省略 head 仮説を第一案としたのは、U曲用単数具格の -ու syncretism を取り落としたためである。
この部分は REVIEW.003 により明示訂正する。target surface は変更しない。
採用構造
[11] զարդարեալ
└─ OBJ [12] զթագաւորս
├─ MEANS-1 [13–16] ի գիւտ ...
├─ MEANS-2 [18–20] ակամբք ... INSTR.PL
└─ MEANS-3 [22] կերպասու INSTR.SG
└─ COLOR [23–25]
յերանգ երանգս գունոցն
訳:
「……さまざまな貴石や、色とりどりの絹織物で王たちを飾る。」
訳文自体は維持されるが、その文法的根拠は「GEN+省略」から 直接の具格手段へ大きく改善された。
STATUS: RESOLVED.
AGATH.§4.S002.REVIEW.004 — ի գիւտ ծանրագին մարգարտին:MEANS / PURPOSE / RESULT — RESOLVED
問い: 13–16 の ի + ACC は、MEANS、PURPOSE、RESULT / ACQUISITION のどれか。
1. 形態だけでは決まらない
HMB2018 §156 は ի + ACC に գործիականի իմաստ「具格相当」 と նպատակ「目的」 の双方を明記する。
2. coordination
զարդարեալ զթագաւորս
├─ ի գիւտ ծանրագին մարգարտին
├─ եւ զանազան ակամբք պատուականաւք
└─ եւ կերպասու ...
後二項は装飾手段。第一項も MEANS 側なら三項の意味役割が揃う。PURPOSE では第一項だけ役割が外れる。
3. գիւտ の作者語法
CALFA / NBHL は գիւտ に「発見」のほか「得られたもの、獲得物、利益・成果」を認める。
§2 զգիւտս իւրեանց
§17 զգիւտս աշխատութեան մերոյ
も「獲得物」の方向。
4. §8 の後続自己解説
մարգարիտն պատուական
ականք պատուականք ի Հնդկային աշխարհէն
...
մեծաջանք եղեալ ի գտանել՝ զթագաւորս զարդարեցին
「真珠・貴石を苦労して得る → 王を飾る」という順序が明示される。これは §4 S002 の圧縮表現を解く強い作者内証拠。
採用
ի գիւտ ծանրագին մարգարտին
= MEANS / ENABLING ACQUISITION
「高価な真珠を手に入れ(て)」
RESULT / ACQUISITION は գիւտ の語彙ニュアンスとして MEANS の内部に吸収し、独立 relation は立てない。
PURPOSE は棄却。STATUS: RESOLVED.
AGATH.§4.S002.REVIEW.005 — աշխարհի:DAT.SG か GEN.SG か — RESOLVED
問い: աշխարհի աւգուտ գործեն は DAT beneficiary「世界に益をなす」か、GEN modifier「世界の利益をなす」か。
1. 形態
աշխարհի は GEN/DAT/LOC.SG 同形。形態だけでは判定不能。9 աւգուտ は ACC.SG、10 գործեն の直接目的語とする。
2. օգուտ գործել の項構造
CALFA / NBHL:
ոչ ինչ օգուտ գործէին եկելոցն
「来た者たちに何の益もなさなかった」
Յոլովից՝ բանք խրատուց ոչինչ օգուտ գործեն
「多くの者には、訓戒の言葉も何の益もなさない」
օգուտ գործել は beneficiary を斜格で伴う。
3. 同作者 §5
եւ այլոց աւգուտ մարթեն լինել
「そして他者に益となることができる」
այլոց も surface syncretism を持つが、意味役割は明らかに beneficiary。§4 S002 の աշխարհի も同じ枠組みで読む。
4. 談話構造
§4 S003 以下では、貧者、世界、困窮者、病者など、商人の活動による benefit-recipient が列挙される。S002 の աշխարհի はこの展開を総括的に先取りする。
採用
աշխարհի DAT.SG → beneficiary
աւգուտ ACC.SG → direct object
գործեն
「世界に/世に益をなす」
GEN.SG alternative は形式上可能だが、constructional parallel と作者内平行から劣り、live ambiguity として残さない。
STATUS: RESOLVED.