「往来を絶えず行うことに慣れ、商品を伴ってあちこち動きつつ、小さな持分を価値あるものとして扱い、それを何千、何万へと増やしながら。」
この sentence は明示的定動詞を持たない。S002 の「習慣から身につく知恵」の具体的内容を、商人たち 省略主語(3人称複数) を共有する非定形連鎖で後置説明する。
ローマナイズ
əndelaki hanapazordealkʿ ertʿewēkn tarabereal vačaṙawkʿn՝ zpʿokʿr masuns yargel, i hazars ew i biwrs bazmacʿucʿanelov.
逐語分析
| No. | 語形 | 品詞・形態 | 機能 |
| 1 | ընդելակի | -ակի 系副詞 | 2 を様態修飾。「親しんで/慣れた仕方で」 |
| 2 | հանապազորդեալք | Հանապազորդեմ 過去分詞・主格複数 | 省略主語(3人称複数) merchants。「絶えず従事して」 |
| 3 | երթեւեկն | 主格単数・定/対格単数・定 surface;対格単数・定 第一分析 | 2 の活動内容「往来」 |
| 4 | տարաբերեալ | 過去分詞;Տարաբերեմ / Տարաբերիմ 残存する別解 | 「あちこち動き/運ばれつつ」 |
| 5 | վաճառաւքն | 具格複数・定 | 「商品を伴って/商品によって」 |
| 6 | զփոքր | 対格 marker + adjective | 7 を限定 |
| 7 | մասունս | 対格複数 | 8 の目的語「部分・持分・少額」 |
| 8 | յարգել | Յարգեմ 不定詞 | 「価値あるものとして扱う/活かす」 |
| 9 | ի | 前置詞 | 10 対格複数 を支配 |
| 10 | հազարս | 対格複数 第一分析 | 数量的到達規模「何千へ」 |
| 11 | եւ | 接続詞 | 9–10 と12–13を並列 |
| 12 | ի | 前置詞 | 13 対格複数 を支配 |
| 13 | բիւրս | 対格複数 第一分析 | 数量的到達規模「何万へ」 |
| 14 | բազմացուցանելով | 不定詞・具格単数 | 「増やしながら/増やすことによって」 |
構造図
AGATH.§5.S03
明示的定動詞述語 = なし
sentence head_status = DISTRIBUTED
省略主語(3人称複数) merchants
├─ [1] ընդելակի → [2] հանապազորդեալք
│ └─ ACTIVITY [3] երթեւեկն
├─ [4] տարաբերեալ
│ └─ 具格/ACCOMP [5] վաճառաւքն
├─ [8] յարգել
│ └─ 目的語 [6–7] զփոքր մասունս
└─ [14] բազմացուցանելով
├─ GOAL [9–10] ի հազարս
├─ COORD [11]
└─ GOAL [12–13] ի բիւրս
形態的には全中心が非定形。構造上は S002 の定動詞による叙述 を談話的に具体化する 定動詞相当の非定形説明単位として機能するが、形態的定形性 を捏造しない。
本文読解
自然な日本語訳
「日々の往来にすっかり慣れ、商品を伴ってあちこち動きながら、わずかな持分をも活かして、それを何千、何万へと増やしていくのである。」
上の「試訳」は原文の語順・構造との対応を優先した訳である。ここでは、一部の意訳や語順調整を許し、日本語としての流れと読みやすさを優先した自然化訳を示す。
S002 の「習慣から身につく知恵そのものが彼らには快くなった」に対し、S003 はその知恵の内容を具体化する。
反復して往来する
↓
往来に習熟する
↓
商品を伴って各地を動く
↓
小さな持分を活かす
↓
何千・何万へ増やす
standalone punctuation unit ではあるが、談話上は S002 に強く依存する。定動詞を補わず、この依存性を保持する。次の S004 は Վասն այսորիկ իսկ「まさにこのために」で始まり、S002–S003 の習熟・利益増大を因果的に受ける。
文法解説
ընդելակի հանապազորդեալք երթեւեկն
1 は -ակի 系副詞。2 は過去分詞主格複数で暗黙の商人たちに一致。3 は活動内容として 対格単数・定 第一分析。
տարաբերեալ վաճառաւքն
4 は過去分詞だが Տարաբերեմ / Տարաբերիմ の lemma / voice は一意化しない。5 は具格複数。局所機能は「商品を伴ってあちこち動き」。
զփոքր մասունս յարգել
7 対格複数 が8 の目的語。Յարգեմ の value / employ / turn to account の語義から「小さな持分を活かす」。
ի հազարս եւ ի բիւրս
9/12 ի + 10/13 対格複数。14 բազմացուցանելով と結び、数量的結果・到達規模。
բազմացուցանելով
不定詞具格単数。副詞的に「増やしながら/増やすことによって」。独立した converb 形態カテゴリーは立てない。
参考文献一覧
* HMB2018 §166 / ABR1976 §370 — -ակի。
BAG1852 §570, §1245 — 不定詞具格の副詞的・叙述的用法。
BAG1852 ¶265; ABE1936 §§204–205; ABR1976 §§351–353 — ի + 対格。
NBHL / CALFA — Հանապազորդեմ, Երթեւեկ, Տարաբերեմ / Տարաբերիմ, Վաճառ, Մասն, Յարգեմ, Բազմացուցանեմ。
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