1Զի 2թէպէտ 3եւ 4ի 5բռնութենէ 6են 7հարկեալք, 8սակայն 9ուսան 10առ 11վշտին 12հնարաւորութեամբ 13զանձինս 14ապրեցուցանել, 15եւ 16այլոց 17աւգուտ 18մարթեն 19լինել։
番号は下の「逐語分析」「構造図」で使用する予定の token 番号。
「というのも、たとえ彼らが強制によって強いられているとしても、それでも彼らは、苦難の中で工夫・手立てによって自分たちの身を救うことを学び、また他の人々にとって益となることができるからである。」
Zi tʿēpēt ew i bṙnutʿenē en harkealkʿ, sakayn usan aṙ vštin hnaraworutʿeamb zanjins aprecʿucʿanel, ew aylocʿ awgut martʿen linel.
| No. | 語形 | Romanize | 品詞・形態(採用分析) | 意味・機能 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | Զի | Zi | 接続詞 | 説明・原因を導く「というのも/なぜなら」 |
| 2 | թէպէտ | tʿēpēt | 接続詞 | 3 եւ とともに譲歩標識「たとえ~でも」 |
| 3 | եւ | ew | 添加辞/接続詞 | ここでは թէպէտ եւ の構成要素 |
| 4 | ի | i | 前置詞 | 5 բռնութենէ(奪格)を支配 |
| 5 | բռնութենէ | bṙnutʿenē | բռնութիւն・奪格単数 | 「強制・圧力によって/から」 |
| 6 | են | en | եմ・直説法現在3複・補助動詞 | 7 հարկեալք と迂言的述語を形成 |
| 7 | հարկեալք | harkealkʿ | 過去分詞・主格複数;Հարկիմ / Հարկեմ family | 「強いられた」;6 են と結合 |
| 8 | սակայն | sakayn | 接続詞/談話標識 | 譲歩相関の主節側「それでも/しかし」 |
| 9 | ուսան | usan | ուսանիմ / ուսանել・アオリスト直説法3複 | 「彼らは学んだ」;14の不定詞構文を補語に取る |
| 10 | առ | aṙ | 前置詞 | 11 վշտին(与格)を支配 |
| 11 | վշտին | vštin | վիշտ・与格単数・定(surface 属格/与格) | առ վշտին「苦難の中で/苦難に際して」 |
| 12 | հնարաւորութեամբ | hnaraworutʿeamb | հնարաւորութիւն・具格単数 | 手段「工夫・手立てによって」 |
| 13 | զանձինս | zanjins | անձն・対格複数 | 14の直接目的語/causee;文脈的に「自分たち自身を」 |
| 14 | ապրեցուցանել | aprecʿucʿanel | ապրեցուցանեմ・不定詞 | 「救う、生命を保つ」;9 ուսան の補語 |
| 15 | եւ | ew | 接続詞 | 二つの主節述語を並列「そして/また」 |
| 16 | այլոց | aylocʿ | այլ・与格複数 第一分析(属格/与格/奪格同形) | 17–19の受益者「他の人々にとって」 |
| 17 | աւգուտ | awgut | 名詞/形容詞・主格単数 surface;述語用法 | լինել と結合「益となる/役に立つ」 |
| 18 | մարթեն | martʿen | մարթեմ・直説法現在3複 | modal「彼らは~できる」 |
| 19 | լինել | linel | 不定詞 | 18の補語;17を述語として「益となること」 |
形態上の注意
DISCOURSE [1] Զի
「というのも/なぜなら」
│
└─ CONCESSIVE FRAME
│
├─ [2–3] թէպէտ եւ
│ 「たとえ~であっても」
│ │
│ └─ PERIPHRASTIC 述語 [6–7] են հարկեալք
│ 「彼らは強いられている/強いられた状態にある」
│ └─ CAUSE [4–5] ի բռնութենէ
│ 「強制・圧力によって」
│
└─ [8] սակայն
「それでも/しかし」
│
├─ MAIN-1 定動詞 [9] ուսան
│ 「彼らは~することを学んだ」
│ │
│ └─ 不定詞 [14] ապրեցուցանել
│ 「救う/生命を保つこと」
│ ├─ CIRC [10–11] առ վշտին
│ │ 「苦難の中で/苦難に際して」
│ ├─ MEANS [12] հնարաւորութեամբ
│ │ 「工夫・手立てによって」
│ └─ 目的語 [13] զանձինս
│ 「自分たち自身を/自分たちの身を」
│
[15] եւ
「そして/また」
│
└─ MAIN-2 MODAL [18] մարթեն
「彼らは~できる」
│
└─ 不定詞 [19] լինել
「~である/なること」
├─ BENEF [16] այլոց
│ 「他の人々にとって」
└─ 述語 [17] աւգուտ
「益となる/役に立つ」
「というのも、たとえ彼らが強いられてそうしているのだとしても、それでも苦難の中で工夫を凝らして自らの身を救うすべを学び、また他の人々の役にも立つことができるからである。」
上の「試訳」は原文の語順・構造との対応を優先した訳である。ここでは、一部の意訳や語順調整を許し、日本語としての流れと読みやすさを優先した自然化訳を示す。
§4 は、商人が困窮者から富者まで、個人から都市・地方・世界まで広く利益をもたらすことを讃えて終わった。§5 S001 は文頭 Զի「というのも」 によって、その讃歌に説明を加える。
ここで一度、商人の航海・交易が必ずしも自由意思だけから生じるのではなく、բռնութիւն「強制・圧力」によって余儀なくされる場合もあることを認める。しかし譲歩構文 թէպէտ եւ … սակայն …「たとえ~でも、それでも~」 によって、その不自由さからなお積極的な結果を引き出す。
強制・必要 ↓ 苦難 ↓ 工夫・手立て ↓ 自らを救う術を学ぶ ↓ 他者にも益をもたらせる
したがって本 sentence の力点は、単なる「商人は苦労する」という叙述ではなく、強制された経験そのものが実践知へ変換され、自助と他者への公益の双方を生むという逆説にある。
直後の S002 は սովորակի իմաստութիւն、すなわち反復・習慣から生じる知恵へ話を進める。本 S001 は §4 の「社会的効用」と §5 の「経験から生じる熟達」を接続する文である。
զի は that / purpose / cause など複数の用法を持つが、本箇所では §4 の商人讃歌を受ける 「というのも/なぜなら」。目的節とはしない。
CALFA/NBHL は թէպէտ եւ を although / even if とし、Թէպէտ եւ …, սակայն … という本箇所と同じ相関型を例示する。[3] եւ はここでは独立した並列接続詞というより、譲歩標識の一部として読む。
[7] հարկեալք は過去分詞複数、[6] են は եմ 現在3複。HMB2018 §§136–137 が記述する、分詞+補助動詞の迂言的構成に属する。日本語では「強いられている/強いられた状態にある」とし、形態ラベルから特定の日本語完了表現を機械的に強制しない。
բռնութենէ は բռնութիւն 奪格単数。ここでは հարկեալք の原因・出所を示し、「強制によって/強いられて」と読む。
HMB2018 §125 は ուսան を ուսանիմ/ուսանել のアオリスト3人称複数として直接掲げる。ուսան + infinitive は「~することを学ぶ」。したがって ուսան զանձինս ապրեցուցանել = 「自分たちの身を救うことを学んだ」。
վշտին は 属格単数/与格単数 同形。BAG1852 は առ + 与格 が原因・近接等を表しうると記述する。本箇所では 与格単数・定 を採用する。CALFA の վիշտ 項にも առ վշտի があり、Isaiah 53:7 に exact surface առ վշտին が独立に attest される。したがって「~へ」という方向用法ではなく、「苦難の中で/苦難に際して」とする。
հնարաւորութիւն は possibility だけでなく means / expedient / ingenuity を持つ。具格 հնարաւորութեամբ はここでは手段を表し、「工夫・手立てによって」と読む。
CALFA/NBHL は օգուտ լինել を “to be useful, advantageous, to serve” と直接記録する。այլոց は 属格複数/与格複数/奪格複数 同形だが、beneficiary の 与格複数 を 第一分析 とする。մարթեն は մարթեմ 現在3複で後続不定詞 լինել を取り、全体で 「他の人々の役に立つことができる」。
相関的譲歩。「たとえ~であっても、それでも~」。
「苦難の中で/苦難に際して」。単純な方向の առ ではない。
「身・命を救う/保つ」。本箇所の զանձինս は主語の商人たちに文脈的に帰属し、「自分たちの身を救う」と読む。「魂を救済する」に限定しない。
「益となる、有用である、役に立つ」。本箇所では այլոց 与格と結び「他の人々の役に立つ」。
* HMB2018 §125 — ուսան- 系アオリスト活用、3複 ուսան。