1զի 2գութ 3Աստուածութեանն 4ի 5նոսա 6իջեալ՝ 7ողորմութիւն 8եւ 9քաւութիւն 10շնորհէ 11աշխարհի.
「なぜなら、神性の慈しみが彼らのうちに降り、世界に憐れみと贖いを授けるからである。」
zi gutʿ Astuacutʿeann i nosa iǰeal, ołormutʿiwn ew kʿawutʿiwn šnorhē ašxarhi.
| No. | 語形 | Romanize | 品詞・形態 | 意味・機能 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | զի | zi | 接続詞 | S002を説明する理由節。「なぜなら/というのも」 |
| 2 | գութ | gutʿ | գութ・主格単数 | 主語中心。「慈しみ、憐れみ」 |
| 3 | Աստուածութեանն | Astuacutʿeann | Աստուածութիւն・属格単数+定冠詞 | 2を限定。「神性/神の」 |
| 4 | ի | i | 前置詞 | 5の対格複数と結び、方向・到達先「~のうちへ」 |
| 5 | նոսա | nosa | 3人称代名詞・対格複数 | 4の補部。「彼らのうちへ」 |
| 6 | իջեալ | iǰeal | իջանեմ・過去分詞 主格/対格単数 | 2–3を主語とする副詞的分詞。「降りて/降ったのち」 |
| 7 | ողորմութիւն | ołormutʿiwn | ողորմութիւն・対格単数 | 10の第一目的語。「憐れみ」 |
| 8 | եւ | ew | 接続詞 | 7と9を並列 |
| 9 | քաւութիւն | kʿawutʿiwn | քաւութիւն・対格単数 | 10の第二目的語。「贖い/赦し」 |
| 10 | շնորհէ | šnorhē | շնորհեմ・PRES.IND.3SG | 「授ける」 |
| 11 | աշխարհի | ašxarhi | աշխարհ・与格単数 | 10の受領者。「世界に」 |
CAUSAL [1] զի
「なぜなら」
│
└─ 主語 [2–3]
գութ Աստուածութեանն
「神性の慈しみ」
│
├─ ADVERBIAL PARTICIPLE [4–6]
│ ի նոսա իջեալ
│ 「彼らのうちに降り」
│
└─ 定動詞 [10] շնորհէ
「授ける」
├─ COORDINATE OBJECTS [7–9]
│ ողորմութիւն եւ քաւութիւն
│ 「憐れみと贖い」
└─ 受領者 [11]
աշխարհի 与格単数
「世界に」
「というのも、神の慈しみが彼らのうちに降り、世界に憐れみと赦しをもたらすからである。」
S002 では:
նոցա բարեխաւսութեամբ 「彼らの執り成しによって」 շինութիւն աշխարհի 「世界の建て上げ」
が神から授けられる、と述べた。
S003 はその理由を、殉教者たち自身を最終的な恵みの源とはせず:
գութ Աստուածութեանն 「神性の慈しみ」
が 彼らのうちへ降ることに求める。
したがって媒介関係は:
神性の慈しみ
↓
彼らのうちに降る
↓
彼らの執り成し
↓
世界へ
憐れみ・贖い/赦し
と整理できる。
ここで重要なのは、S002 の「彼らの執り成し」と S003 の「神性の慈しみ」が競合する原因ではないこと。S003 はむしろ、殉教者の執り成しが効力をもつ根拠を、彼らのうちに降る神的慈しみに遡らせる。
また S002 の աշխարհի「世界の」と S003 の աշխարհի「世界に」は同形ながら格機能が異なる。
S002 շինութիւն աշխարհի 属格単数 「世界の建て上げ」 S003 շնորհէ աշխարհի 与格単数 「世界に授ける」
この 属格/与格 同形の切り分けは、文法分析上の重要点。
* 1 զի は HMB2018 §189 の原因節導入。「なぜなら」。
գութ 主格単数 + 3 Աստուածութեանն 属格単数.DEF が主語。「神性の慈しみ」。ի + 5 նոսա 対格複数 は方向・到達先。「彼らのうちへ」。իջեալ は իջանեմ の過去分詞。2–3と同一主語をとる副詞的分詞用法。շնորհէ は PRES.IND.3SG で唯一の定動詞。「授ける」。ողորմութիւն と9 քաւութիւն は 対格単数 の並列直接目的語。「憐れみと贖い」。աշխարհի は 属格/与格単数 同形だが、շնորհեմ の授与構文と HMB2018 §180 により 与格単数 受領者「世界に」を採用。աշխարհի は 属格単数「世界の」、S003 は 与格単数「世界に」で、同形ながら機能が異なる。
* զի — 原因節「なぜなら」。
գութ + 属格 — 「~の慈しみ/憐れみ」。ի + 対格 with իջանեմ — 「~の中へ降る」。շնորհեմ + 対格 内容物 + 与格 受領者 — 「物を人/対象に授ける」。* Agathangelos §10 S002–S003。
զի。Գութ, Աստուածութիւն, Իջանեմ, Ողորմութիւն, Քաւութիւն, Շնորհեմ。