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アガタンゲロス『アルメニア人の歴史』— 精読ノート(§2 S004)
原文
1Եւ 2լաւութիւն 3առ 4ընկերս, 5եւ 6անուն 7առատ 8եւ 9բարգաւաճանք 10առ 11թշնամիս, 12եւ 13ուրախութիւն 14առ 15իւրեանց 16սիրողս։
試訳
「そしてさらに、仲間たちには善、敵たちの前には大いなる名声と栄誉、そして彼らを愛する者たちには喜び。」
全 REVIEW 調査完了。クローズ前整合性監査済み。 S004 は定動詞を持たない名詞的一部文として、三つの名詞主部+ առ + ACC 関係句を並列する構造に確定した。REVIEW.001–003 はすべて RESOLVED。本文解釈を変更する BLOCKING な未決点はない。
''առ իւրեանց սիրողս'' — 句頭前置詞+目的語的属格+主体分詞
構造は առ [իւրեանց սիրողս] とする。
HMB2018 §154 は、前置詞に支配される中心語が前置補語を持つ場合、前置詞がその補語の前、すなわち句頭に置かれうることを明記する。したがって14 առ が直後の15 իւրեանց 自体を ACC にする必要はなく、句全体の中心語16 սիրողս ACC.PL を支配できる。
HMB2018 §91 では իւրեանց は GEN.PL / DAT.PL 同形。本箇所では CALFA/NBHL Սիրող の支配から GEN.PL を採用する。同辞書は Սիրող を “loving, lover” とし、
սիրող նկարուցսիրող երաժշտութեանսիրող ազատութեան, փառացսիրողաց անուան քում
のように、愛する対象を属格で取る用法を明示する。したがって իւրեանց は目的語的属格で、意味は「彼らを/彼らのことを」。
16 սիրողս は HMB2018 §135 の -ող 主体分詞に形態的に合い、§49 により主体分詞は屈折可能。本箇所では առ に支配された ACC.PL。CALFA/NBHL が Սիրող を独立した形容詞・名詞的見出しとしても立てるため、形態的には主体分詞、統語的には名詞化・語彙化した「愛する者」と扱うのが安全。
自動形態解析には սիրիմ 系の候補も出るが、CALFA/NBHL の語義・属格支配・文脈はいずれも active 「愛する者」を支持するため、受動的「愛される者」は active alternative に残さない。
全体は、
ուրախութիւն
└─ առ [իւրեանց սիրողս]
│ └─ ACC.PL「愛する者たち」
└─ GEN.PL「彼らを」
すなわち 「彼らを愛する者たちには喜び」 と読む。
===== 読解ノート — REVIEW ===== ++++ AGATH.§2.S004.REVIEW.001 — 定動詞ゼロとS003への依存 — RESOLVED
AGATH.§2.S004.REVIEW.002 — ''անուն առատ եւ բարգաւաճանք առ թշնամիս'' — RESOLVED
AGATH.§2.S004.REVIEW.003 — ''ուրախութիւն առ իւրեանց սիրողս'' — RESOLVED
