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アガタンゲロス『アルメニア人の歴史』— 精読ノート(§9 S002・OPEN)
原文
1նոքա 2եւ 3աշխատութեան 4կարաւտելոցն 5հանգիստ 6պատրաստեն.
本文状態: Phase 2 frozen target v1.0.1 / authoritative sentence AGATH.§9.S02 を無変更で採用。surface SHA-256 = 326cdf55d7994ebdc3a7784ca40a43eff1a05b70ae5182d161b5ea51b18a380f。token count = 6。
STATUS: OPEN / ACTIVE REVIEW.002.
暫定試訳
current primary:
「彼らはまた、労苦を求める者たちのために、安息を備える。」
ここで「求める」は 4 կարաւտելոցն の「欠乏する/必要とする」と「慕い求める」の両義のうち、3 աշխատութեան「労苦・努力」を目的語的に取る文脈に合わせた暫定的な訳語である。意味裁定は REVIEW.002 とともに保持する。
分析履歴 — pilot only
REVIEW.001 — ''կարաւտելոցն'':未来分詞か、語彙化した ''կարաւտեալ'' の斜格複数か — RESOLVED
-ելոցն は高リスク形であり、入口では少なくとも次の二候補を保持した。
- A. 未来分詞
-ոց - B.
-եալ過去分詞/そこから語彙化した形容詞の斜格複数
HMB2018 §135 は未来分詞が実質的に不定詞形に -ոց を付して形成されることを記す。一方、HMB2018 §49 は過去分詞が曲用することを明示する。
しかし CALFA / NBHL は独立見出し Կարօտեալ を「欠乏している、必要としている、貧しい」等の形容詞として立項し、կարօտելոց / կարօտելոցն を人物を指す斜格複数として用いる多数の例を示す。「善を կարօտելոց に行う」「կարօտելոց に与える」型で、名詞化した人物指示が明瞭である。
したがって本箇所では、未来時制的な非定形述語を新たに立てるより、語彙化した կարաւտեալ / կարօտեալ の名詞化斜格複数として扱う。
STATUS: RESOLVED.
REVIEW.002 — ''աշխատութեան կարաւտելոցն հանգիստ'':3の係り先と4の格 — ACTIVE
Analysis A — current primary
աշխատութեան DAT.SG
└→ կարաւտելոցն DAT.PL
└→ պատրաստեն
հանգիստ ACC.SG
└→ պատրաստեն
意味骨格:
「労苦・努力を求める者たちのために 安息を 備える」
支持1 — կարօտ / կարօտել の与格支配。
KOS1980 は կարօտ を与格補部を取る形容詞群に挙げ、さらに կարօտել を方向の与格を取る動詞として扱う。Ողորմութեանց նոցա կարօտին、կարօտէր Աստուծոյ արուեստգիտութեանն 等が例示される。したがって属格/与格同形の3 աշխատութեան を、4の補部である与格単数と読む経路が直接に支持される。
支持2 — պատրաստել の受益与格。
KOS1980 は「利益・不利益の与格」を取る動詞群に պատրաստել を含める。同じ Agathangelos から … զոր պատրաստեցեր սիրելեաց քոց(「あなたが愛する者たちのために備えた…」型)の例を引く。
したがって4 կարաւտելոցն は、6 պատրաստեն に対する受益者の与格複数と読むことができる。
支持3 — հանգիստ+与格受益者の同作者平行。
KOS1980 は Agathangelos の Գտջիք հանգիստ անձանց ձերոց を利益の与格の例として挙げる。
հանգիստ 「安息」=与えられるもの անձանց ... DAT =その受益者
という関係が同作者内で確認できる。本箇所の5 հանգիստ=対格目的語、4=受益与格という分析を強く支える。
Analysis B — weaker alternative
3 աշխատութեան を属格として5 հանգիստ に係け、
[աշխատութեան ... հանգիստ] 「労苦の/労苦に関する安息」
とする。
KOS1980 には հանգիստ գիշերոյ、հանգիստ ձմերոցի のように հանգիստ + 属格 の結合が存在するため、構文カテゴリーとしては成立する。
ただし、それらは時間・場所等の属格であり、本箇所の աշխատութեան と同じ意味関係を直接示すものではない。一方 Analysis A には կարօտ の与格支配と、同作者における հանգիստ + 受益与格 の双方がある。
CURRENT WEIGHTING: A > B.
minimal discriminant: աշխատութիւն を կարօտ- の補部として取る語法、または աշխատութիւն + հանգիստ が一まとまりになる直接平行が得られるか。現在は前者を支える一般的な支配規則が優勢だが、意味上の「労苦を求める者に安息」という対照を含め、最終裁定前に保持する。
STATUS: ACTIVE.
本文読解 — provisional
S001 は「欠乏する者たちを天上の豊かさで満たす」と述べた。S002 も同じ նոքա եւ「彼らはまた」で始まり、与えるものを今度は հանգիստ「安息」に移す。
current primary では、
S001 欠乏する者たち → 天上の豊かさ S002 労苦を求める者たち → 安息
という対応になる。
とくに3 աշխատութիւն「労苦・努力」と5 հանգիստ「安息」の対置は意味上目立つ。ただし、この対置自体を理由に3の格・係り先を決定したわけではない。格支配と同作者平行を先に置き、意味的対照はその分析と整合する二次的観察として保持する。
参考文献一覧
- Agathangelos,
Պատմութիւն Հայոց, §9 S002;Phase 2 frozen target v1.0.1 / AGATH.§9.S02。 - HMB2018 §49 — 不定詞・過去分詞・主語分詞が曲用すること。
- HMB2018 §135 — 未来分詞
-ոցの形成。 - KOS1980 pp.70–72 —
կարօտ/կարօտելを含む形容詞・関連動詞の格支配。 - KOS1980 pp.119–123 — 動詞の与格補部、利益の与格、方向の与格。
պատրաստել、կարօտելおよび Agathangelos の平行例を含む。 - CALFA / NBHL
Կարօտեալ,Կարօտիմ— 語義、語彙化した形容詞、կարօտելոց(ն)用例。 - CALFA / NBHL
Հանգիստ— 「安息、休息、平安」等。 - CALFA / NBHL
Պատրաստեմ— 「備える、準備する」等。
